松山ケンイチの「わい」は方言?
俳優の松山ケンイチさんは、青森県出身で、一人称を「わい」と言うことでも知られています。
たとえば、ピアニストの清塚さんとの対談の際、松山ケンイチさんは次のように語っています。
うん、わいも言葉で伝わらないから芝居をしてるのは一緒。ただ「役者とはこういうもんだ」という押し付けをする人ほど、自分しか出せてない気がする。
あと自分が表現したものを、あとから説明するのがイヤなんだよね。「この作品を通して何が伝わってほしいですか?」とかよく質問されるんだけど、メッセージとか作品の意味づけとか押しつけたくないし。
そういうことを言葉で伝えられないから芝居をやってるんだよね。それが役者なんだったら、わいは役者になりたくないと思う。
普段、仕事のときは標準語を使うこともあるようですが、素が出ると故郷のイントネーションが出ることもあるという話も。
この「わい」という一人称も、青森県の方言である下北弁の一人称を指す言い方です。
渡り鳥って季節によって過ごしやすい土地に移動していくじゃないですか。人だって同じことができるんじゃないか。そういう思いはわいの中にあったんです。
下北弁は、青森県の下北半島の大部分(松山ケンイチさんの出身地のむつ市も含む)で使われる方言で、一人称が「わい」「わら」というのが特徴です。
このうち、「わい」は男女ともに使用し、「わら」は女性が使う言い方です。
松山ケンイチさんは、「わい」という一人称に対しては、結構意識的に使っているらしく、「僕」や「俺」は気障ったらしくて苦手なようです。
松山は「ぼくは青森出身なので、方言なんです。ぼくっていうのも恥ずかしいし、俺っていうのもキザったらしくて嫌なんで」と、「わい」を使用する理由を説明。相席スタート・山添寛からは「結構聞かれるんじゃないですか?『わいですか』って…」と質問されたが「もう、分かれよっていうつもりで、わいって言ってます」と、使い分けることなく、いつでも「わい」と言い続けていることを明かしていた。