ピカソの本名と由来
世界的にもっとも有名な画家の一人として、スペインのパブロ・ピカソがいます。
小学生の頃から「画家」と言えばピカソ、というくらいに浸透していた画家中の画家です。
ピカソは結構昔のひとで、1881年の生まれでスペインのマラガ出身。ジョルジュ・ブラックとともにキュビズムの創始者として知られています。
ピカソの代表作と言えば、なんと言っても1937年に制作された反戦絵画で、スペイン市民戦争に介入したナチスドイツやイタリア軍がスペインのバスク地方の村ゲルニカを無差別攻撃したことを主題にした『ゲルニカ』です。
パブロ・ピカソ『ゲルニカ』 1937年
ぱっと見では子供でも描けそうな雰囲気で、しかし不気味な凄さを感じさせるピカソの作品は、子供の頃に見ても印象的に記憶に残ります。
非常に長生きだったピカソは、1973年、92歳で亡くなります。
ピカソで作品以外に有名なのが、その本名の長さです。一般的には、「パブロ・ピカソ」という表記が有名ですが、フルネームは驚くほどの長さで、あまりに長いのでピカソ本人も覚えていなかったようです。
ピカソの本名は、以下の通りです。
パブロ、ディエーゴ、ホセー、フランシスコ・デ・パウラ、ホアン・ネポムセーノ、マリーア・デ・ロス・レメディオス、クリスピーン、クリスピアーノ、デ・ラ・サンティシマ・トリニダート、ルイス・イ・ピカソ
円周率かと思うくらい文字の羅列が続きます。
最後の「ルイス・イ・ピカソ」は、父方と母方の性で、スペインでは一般的に父方と母方の性を順に並べます(イ[y]は英語で言うandのようなもので、「そして」などを意味します)。
当初、ピカソは、「パブロ・ルイス・ピカソ」と名乗っていましたが、途中から「ルイス」を取ってパブロ・ピカソと名乗るようになりました。理由としては、「ルイス」が、故郷マラガではありふれた名字だったから、ということのようです。
それでは、そもそも一体なぜピカソの本名はこれほど長いのでしょうか。
ピカソの本名が長い理由は、ざっくり言うとキリスト教の洗礼名で親戚の名前や聖人の名前をつけることで長くなっている、というものです。
洗礼名の形式ゆえに長いというのが、ピカソの本名の由来で、こうした名前は故郷マラガでは普通のようです。