文学

坂口安吾の本名とペンネームの由来

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坂口安吾の本名とペンネームの由来

坂口安吾は、1906年に新潟県で生まれ、1955年に脳出血で亡くなる日本の小説家、随筆家です。

sakaguchiango 坂口安吾(1906〜1955)

五男坊として生まれた坂口安吾、父親は、衆議院であり新潟新聞社の社長です。

中学時代に文学に興味を持ち、短歌を作成。その後、東洋大学哲学科に入学します。

大学卒業後、作家としてデビュー。自身、躁鬱病を患いながら、数多くの作品を執筆。

坂口安吾の代表作としては、戦後に発表された『堕落論』がよく知られています。

人間。戦争がどんなすさまじい破壊と運命をもって向うにしても人間自体をどう為しうるものでもない。戦争は終った。特攻隊の勇士はすでに闇屋となり、未亡人はすでに新たな面影によって胸をふくらませているではないか。

人間は変りはしない。ただ人間へ戻ってきたのだ。人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。

出典 : 坂口安吾『堕落論』

坂口安吾という名前はペンネームであり、本名は坂口炳五へいごと言います。

本名の柄五というのは、「丙午」年生まれの「五男」であることに由来します。

また、ペンネームは、坂口安吾が中学生の頃、叱責された際に言われた教師の言葉が由来となっています。

当時、近眼が進み黒板が見えないことから勉強する意欲を失った安吾は、日本海に面した砂丘で寝転んで過ごしていました。

勉強から逃げる安吾に、漢文の教師が、「お前に炳五などもったいない、柄は明るいという意味だが、お前は自己に暗いから、暗吾だ」と言ったことが、のちの坂口安吾(暗をもじって安に)というペンネームに繋がります。