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烏合の衆の意味と由来

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烏合の衆の意味と由来

烏合の衆とは

烏合うごうしゅうとは、故事に由来することわざで、意味は、「寄せ集めで規律や統制がない集団のこと、または秩序がない軍勢」を指します。

カラスがたくさん集まってがやがやと騒ぐだけのように、ただ数ばかり多い群衆。規律もなければ、統一されてもいない人々の集団の意から、転じて、未熟でまとまりのない、まったくだらしない無統制の軍隊をいう。

出典 : コトバンク「烏合の衆」

使い方としては、「たとえ有能な人材が集まったとしても、しょせん敵方は烏合の衆だ」といった用例が挙げられます。

また、いっしょに行進している人たちを見ながら、一種の恐怖心めいたものを感じたのも事実だった。われわれが、どんなにしようのない烏合の衆にみえたことか、おそらく読者には想像もつかないだろう。それこそ、羊の群れより、もっとてんでんばらばらだった。

出典 : ジョージ・オーウェル(高畠文夫訳)『カタロニア讃歌』

義貞は彼等を、新田一族を長とする部隊に加えて行った。義貞は、集まって来た部隊を烏合の衆とさせないためにはどうしたらよいか、それのみが気がかりであった。戦さは数で決まるものではない。

出典 : 新田次郎『新田義貞(下)』

烏合の衆の「烏」とは、「とり」ではなく「からす」で、「烏合」という二字だけでも、烏のように集散がばらばらで統率が取れない様子を意味します。

烏合の衆の類義語には、「寄せ集め」や「群衆」があり、対義語としては、少数でも才能があって規律が守られる「少数精鋭」や多くのひとが協力して一つのことに立ち向かう「一致団結」などがあります。

英語では「herd of cattle(牛の群れ、家畜の群れ)」という表現が、日本語の「烏合の衆」に該当します。

由来は、中国古典『後漢書 耿弇こうえん伝』

この「烏合の衆」ということわざは、中国古典の『後漢書ごかんじょ』に由来します。

後漢書とは、中国後漢時代(西暦25年〜220年)について書かれた歴史書で、この書物のなかに「烏合の衆」という言葉も何度か登場します。

『後漢書』に「突騎を発して烏合の衆ふみにじるは、かれたるくだくされたるくじくが如きのみ」とか、同「邳彤ひとう伝」に「卜者王郎烏合の衆を集め、燕趙えんちょうの北を震す」などとある。

出典 : コトバンク「烏合の衆」

今でこそからすは賢い鳥として認識されていますが、昔は、協調性がなくばらばらに鳴く馬鹿な鳥と考えられていたのかもしれません。