作家

中原中也

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中原中也

中原中也なかはらちゅうやと言ったら、文学に普段あまり縁がない人でも一度は耳にしたことがあるでしょう。

教科書で読んだことがあったり、漫画を通して知っているという人も少なくないのではないでしょうか。

中原中也は、1907年生まれで山口県出身。1937年、30歳のときに若くして病気で亡くなる日本の代表的な叙情詩人です。

中原中也

中原中也の作品で有名な代表作としては、『汚れっちまった悲しみに……』が挙げられます。

『汚れっちまった悲しみに……』

汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる

汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革裘かわごろも
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる

汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠けだいのうちに死をゆめ

汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気おじけづき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……

雪が降り、寒々しくも情緒的な風景のなかに、一人の人間の悲しみが歌われています。

また、最近では、漫画やアニメで人気の『文豪ストレイドッグス(文スト)』の登場人物の名前として「中原中也」が出てくることでも知られ、このアニメから詩人中原中也の読者になった、というファンも多いようです。

画像 : 文豪ストレイドッグス公式サイト「中原中也」

黒いハットをかぶった姿も印象的で、中原中也と言ったら、この帽子姿がトレードマークでもあります。

また、身長も小さく決して喧嘩も強い方ではなかったものの、気は強く、酒癖も悪いことから、破天荒なエピソードも多く、詩にはひたすらに一本筋で、作品だけでなく、そういった人間的な側面からも、ファンの多い詩人の一人と言えるでしょう。

ところで、この「中原中也」という名前。名字に中があり、名前にも中がある、響きとしても言いやすく、見た目的にも、とても綺麗な名前です。

果たしてこれは本名でしょうか、それともペンネームなのでしょうか。

実は、「中原中也」という名前は、紛れもなく中也自身の本名です。

中原中也の父である謙助が、軍医として旅順にいるときに、中也の母親のフクの妊娠が分かり、そのことをフクが知らせると、父の謙助は、手紙で、名前は「中也」だと送ったそうです。

この父からの手紙が、「中也」という名前の由来です。

中原中也自身は、生前友人たちに、「森鴎外が名付け親」だと語っていたものの、実際はそんなことはなく、謙助の同僚が名付け親だというのが真実だったようです。

ちなみに、中原という名字は、母親フクの家の名字で、父親の謙助は「柏村」と言い、幼少期は柏村中也だったものの、途中で謙助がフクの家に養子に入ったことから、中原性となり、中原中也という名前になります。