山村暮鳥の本名とペンネームの由来
山村暮鳥は1884年に群馬県の現在の高崎市に生まれ、1924年に肺結核のため40歳で亡くなる詩人、児童文学者です。
山村暮鳥の作品集としては、詩集や童話集などが数冊出版され、たとえば、詩集『雲』では、以下のような詩が収録されています。
『春の河』
たつぷりと
春の河は
ながれてゐるのか
ゐないのか
ういてゐる
藁くづのうごくので
それとしられる『蝶々』
ふかい
ふかい
なんともいへず
此処はどこだらう
あ、蝶々『雲』
丘の上で
としよりと
こどもと
うつとりと雲を
ながめてゐる出典 : 山村暮鳥『雲』
この山村暮鳥という名前はペンネームで、本名は土田八九十といいます(旧姓は志村)。
このペンネームは、1909年に、昭和女子大学(のちの日本女子高等学院)の創設者としても知られる人見東明にもらったもので、「静かな山村の夕暮れの空に飛んでいく鳥」という意味を込めたことに由来します。